第67回「教育環境は我が子から」(板紙段ボール新聞R2年2月7日付)掲載より

2020年代に入り 、地球環境を意識した社会的な動きがさらに加速します。たとえば欧州連合で、来年はプラスチック製の使い捨て食器、ストロー等の使用が禁止になります。紙化率も急速に高まる見込みです。

   

EU加盟国は2029年までにプラスチック容器の回収率を90%以上に引き上げ、またプラ容器類に含まれるリサイクル材料比率を25年までに25%以上、30年までに30%以上としなければならないと、この10年でプラスチックに大きな進化を強制しています。

その一方、我が国ではこうした具体的な動きが見えてきません。なぜ、ヨーロッパではプラスチック問題に大胆なメスを入れることがスピーディに実施されるのか?様々な要素が考えられますが、 見逃せない事実として、幼児期からの環境教育が影響していると思います。

筆者は30年近く前にドイツの幼稚園を見学しましたが、当時すでに ゴミの分別やそのゴミがどうなるかを教えていました。自然と紙製品が地球に優しいことも学びます。

そして、この子供たちが社会に出てプラスチックのCO2排出、海洋汚染の問題点から真剣に対策を考え、コストより 多少高くても環境に優しい素材を選ぶという行動を起こすのではないでしょうか。今まさに紙器・段ボール各社が様々な新提案を展開しています。

そこで 、板紙段ボール業界の皆さんに提案です。子供さん、お孫さん、甥姪子さんには紙器・段ボール製のおもちゃを贈りませんか?柔らかい材質でケガの心配も少なく 、色も塗れて そして廃棄・リサイクルに優れている。行政が動かなくても身近な子供たち から環境教育をし、 その環が広がっていく…素晴らしいではありませんか?

写真は段ボールのおもちゃ箱 と、九州ダンボールさんの木馬です。温かい趣がありますね。