第66回「正倉院、技術と知恵の箱」(板紙段ボール新聞R2年1月7日付)掲載より

令和新時代最初のお正月を迎えました。紙器段ボール業界が元号の如く美しい調和し、より素晴らしい社会にさらなる貢献、発展することを期待しています。

  

昨年の秋、天皇陛下の御即位を記念し正倉院宝物特別展が催され、またとない機会と見に行きました。

シルクロードの終点といわれる奈良。奈良時代にはすでに遣唐使による海外文化が取り入れられ、ハイレベルの技術で高級素材を使った調度品、楽器、工芸品が作られていたことがわかります。また、様々な文書類が現在も判読できる状態で残っているのも驚きです。

皇室の宝物だから大切に保管されて代々特別に受け継がれてきた…と言うのは簡単ですが、1200年以上前の宝物が極めて良い状態で、令和の時代でも目にすることができることに感動しました。誰もが学校時代には、正倉院が総ヒノキの高床式校倉造(あぜくらづくり)の倉庫で、「木材が呼吸して通気性がよかったたから宝物が守られた」と習いましたが、初めてこれらの宝物や書物が奈良~平安時代・8~9世紀に造られた「古櫃(こき)」と呼ばれる杉材の箱に納められていたことを知りました。

箱業界に生きる者として絶対にレポートしなければならない紛れもない事実!縦700mm、横1020mm、高さ500mm、イラストは当社の絵が上手なメンバーに模写してもらいましたが、パレタイズでき中空構造高床式で適度な温湿度調整可能です。

なんと!すでに奈良時代に我が国ではインテリジェントボックスが発明、製造されていたとは!そのDNAが今日の業界人たちに脈々と受け継がれている…、そんな大きな感動を覚えました。