第45回「紙器・段ボール技術交流」(板紙段ボール新聞H30年4月7日付)掲載より

本紙は板紙と段ボールの両方の出来事を報道する新聞ですが、印刷紙器と段ボールの間には歴史、文化の違い、あるいは生産技術の違いなどがあり両者の間に壁があるように思われます。しかしながら時として双方の情報、技術を交流することでさらに進化が実現するのではないかと思います。

そんな発想のもとで作ったのが『かんたんハコダテくん』です。- ウニ、ホタテ、五稜郭の函館とは関係ありませんよ。- 飲料缶など統一規格がある商品の自動充てん、製函が古くから普及した段ボールにおいて罫線強度の数値管理が今や常識となっていますが、商品も箱も寸法、形状ともに無限の印刷紙器においては同じような管理は普及してきませんでした。しかしながら、今日ではユーザーもとでは商品のパッケージへの充填は省人化が進み、その結果“箱を開き、商品を詰め、蓋を閉じる”作業を機械、カートニングマシンが行なうことになります。人の手と異なりその作業は同じ力で行うため、一定の範囲の力で箱が開く、蓋が閉まるような罫線をつけなければなりません。そのような筋入れを確かにするのが『シトーアルティメット』ですが、それを数値でチェックできるのが『かんたんハコダテくん』です。この測定器は段ボール工場で長年使用されて定評のある『曲げ強さ測定器』のメカニズムを流用して生まれました。印刷紙器工場のグルアーでの製函後に現場で誰でも簡単に紙器の起函トルク値を測れることができます。生産現場でセッティングが速く、操作やデータの判定に専門知識を要さないのが特長です。測定するパッケージの起函を自動で行う電動式で、数値のピーク、最小、平均値、標準偏差が印字されるプリンターも備えています。私たちは、板段技術交流をこれからも進めていきたいと思うのです。