第4回「メンテフリーのアンビル」(板紙段ボール新聞H26年11月7日付)掲載より

前回に引き続き、女性に優しい段ボール工場作りに知恵を絞るスペイン・セラ機械製造(株)のユニーク技術。今回はダイカットユニットの省力化と打抜き品質向上の技術です。

 

有功社シトー貿易では15年前にロータリーダイカッター、FFGのウレタンアンビルの交換時間を画期的に短縮させたスペイン生まれの『モンテネグロアンビル』を発売、さらに日本市場向けに開発した『ウレタンアンビルF1』へと発展させました。どちらも従来のネジ止め方式から、ハンマーとバールだけでアンビルシリンダーにワンタッチ着脱できる「ジグソウジョイント」を採用。しかし女性には負荷が大きい作業に違いありません。

セラ社の『セランビル』は、円筒形の幅広アンビルを使用、着脱は専用工具でロック開閉するだけ、アンビルシリンダー上で400mmオシレートする今までにないアンビルシステムで、作業はたった2分、世界最速です。

肉体作業からの解放は男女問わず嬉しいだけでなく、アンビル間の継ぎ目の数が少ないことから切れ不良の削減、ウレタンアンビル1枚分の幅のオシレートからアンビル表面の抜群の平滑性が常時確保できます。アンビルローテーションが最速で頻度を向上し全アンビルが均一摩耗すると、結果的に打抜き品質が抜群に向上します。

ロータリー機は生産性が高いが打抜き品質が劣ると言われていましたが、『セランビル』で切れ品質、罫線品質、寸法精度が向上し、平盤ダイカッターの仕事の20~30%をロータリーに変更可能になったとのことでした。搭載には、アンビルシリンダー交換が必要です。