第3回「女性の働き易い現場へ」(板紙段ボール新聞H26年10月7日付)掲載より

今、日本では成長戦略として「企業の女性登用」を促進するために様々な施策が打ち出されていますが、安定的に働ける環境を整えることも重要です。欧州の段ボール工場の取組みを追ってみました。

段ボール工場は、以前より女性にとっても働きやすくなりましたが、まだまだ女性にとってきつい作業が残存します。積極的に省力化機器を考案、普及に努めているスペイン・セラ機械製造(株)のユニークな技術を3回分に分けてレポートします。

 

今回は『セラーム』。抜き加工で多面付をすることで抜群の生産性が確保できる大型径ロータリーダイカッタはヨーロッパでとても普及していますが、抜型が重いのがたまにキズ。ベニヤに代わる軽量材の研究も行われていますが、コストの問題もあり実用化には時間がかかりそうです。

そうした中、ローターリー抜型の上げ下ろしをサポートする便利な装置が発表されました。『セラーム』はダイカッタユニットの上部に取り付けられたクレーンのような発想のコンパクトでシンプルな設備。ワイヤーの付いた左右のハンドグリップを抜型の連結ロックに差し込み、親指でスイッチ操作しワイヤーを電動で巻き上げ下げでき、思い抜型を軽々とダイシリンダーに取り付けまたは取り外しが短時間で行えます。

また、フレームは回転するための機械外への移動ができ、ボタン操作でロータリー抜型を縦置き可能。『セラーム』は同社のワンタッチ抜型固定システム『セラピッド』、ロータリーダイ保管システム『セラストック』と併用することでさらにストレスフリーの楽しい現場を実現します。