第108回『感動の液体パック_』(板紙段ボール新聞R5年7月7日付)  掲載より

EU(欧州連合)では、2019年に「使い捨てプラスチック流通禁止指令」が可決。それを受けて加盟する27カ国が独自のプラスチック廃棄物の発生削減を目指して
います。その中で、今回はイタリアの事例にスポットを当てます。

液体紙容器といえば牛乳やジュース、そして僅かながらスープに日本酒くらいが我々の日常目にするところでしょうか。今、ヨーロッパへ行くと家庭の食卓用ワインも
定番になりつつあります。

このように、基本は食品向け限定ですが、イタルキミカ社は脱プラの流れから同社商品の液体ハンドソープ『デルモ』シリーズにも紙化させました。

従来はポンプ付き高密度ポリエチレン(HDPE)製ボトルと、詰め替え用にポリマーラミネートタイプのスタンドアップ300mlのパウチ容器の2本立てでした。
これをポリコーティングされた剛性のある900mlの板紙容器に変えたことで、従来のパウチ容器3本分のプラスチックを削減できました。

メーカーでは紙容器の方が整理棚でスペースを取らずスマートに保管できると強調していますが…筆者にとっては、あの安定感が悪いパウチから空になった倒れやすい
容器へのヌルヌル石鹸を高度な技術?を要すること無く(あくまでも筆者個人の見解)移す作業が無くなった分、地球環境だけでなく消費者にも優しい画期的な進化と
言えるでしょう。

この飲料以外への紙容器への転換で心配されたお年寄りや子供たちの誤飲の問題。この対策として2種類の警告ピクトグラムが用意されました。

なお、筆者にとっての液体紙容器の思い出は、小学生だった1960年代後期、学校給食の牛乳が瓶から紙パックに変わった日の感動です。
それは、当番になると運ばなければならない満タンの牛乳瓶の重い通い箱からの完全解放でした。

 

 

 

 

写真は、商品パッケージの誤飲防止ピクトグラム(メーカーのホームページより)