罫割れは紙器・段ボール製造の現場で起こる頭を悩ませるトラブルの一つです。
紙器・段ボールを折り曲げる工程で発生してしまうひび割れは、製品不良と認識されてしまうことがあります。このような罫割れの原因を把握し対策を講じることで、歩留まりや生産効率を改善することができます。
罫割れとは
罫割れとは、板紙や段ボールなどの曲げ加工に伴い、折り筋の部分にひび割れが発生してしまう現象のことを指します。この現象が発生すると、印刷物のインクが剥がれる等品質の低下につながる恐れがあります。
罫割れの原因
罫割れが発生する原因には、使用している溝切テープにゆとりがなく、溝幅が狭くなってしまっていることが理由の1つとして挙げられます。また、紙の水分量も関係しています。紙は水分が少ないほど硬くなり伸縮性がなくなってしまうため、曲げ加工によって折れ筋が切れやすくなります。
特に冬場は低温・低湿度の影響で紙の水分が抜けてしまい、罫割れが発生しやすくなります。また、段ボールはパルプの配合量やライナーの等級によって罫割れが発生する場合があります。
罫割れの改善提案
罫割れの改善策としては、溝切テープの溝幅を現在使用しているものよりも0.1〜0.2㎜広いものに変えることが考えられます。180度折りの箇所では溝切テープの溝幅を0.1~0.2mmほど広く、溝の深さを0.1mmほど深く設定し直すことが効果的です。
溝切テープの精度が低い場合には、サイズ変更を行っても理想的な結果を得られないことがあります。精度が高い溝切りテープを使用することが罫割れ対策の重要なポイントです。
溝切テープのサイズ調整だけで罫割れを防ぐことができない場合は以下のように様々な改善策を総合的に実施することが必要です。
コルク・スポンジでの罫割れ対策
段ボールの罫割れ
コルクで段ボールを潰しながら筋を入れることで罫割れを防ぎます。跡が残りにくいネオコルクがおすすめです。サイズは切刃で使用するコルクより、高さが紙厚分低いものを選びます。
罫線間での罫割れ
罫線の間に硬めのスポンジを貼り、シートを押さえることで割れを防ぎます。罫線の間の間隔が狭い場合は、筋刃や溝切りテープなどの設定を調整して罫圧を弱くします。
まとめ
以下のような対策を行うことで罫割れを改善することができます。
・溝切テープのサイズを変更する。
・スポンジやコルクなどでシートを押さえる。
・罫圧をムラトリテープで調節する。(応急的な処置)
・段ボールにはネオコルクを使用する。
・抜型の筋刃を再調整する。
罫割れ対策おすすめ製品
シトーテープ
パーフェクトクリージングを実現する高精度の溝切りテープ。完璧な折れ筋(パーフェクトクリージング)を求めるなら、高精度の溝切りテープをお求めください。溝切テープの仕上がり精度上最も重要な、テープ本体の溝幅および厚みの誤差範囲は±0.02mm以下という他では真似できない極小の誤差範囲です。