2020年7月1日より始まったレジ袋有料化からまもなく5年が経ちます。これにより、レジ袋の消費は減少、一定の効果と報道ではありましたが、そもそもレジ袋は、日本のプラスチック廃棄量のわずか2%。
政府は、「レジ袋有料化の真の目的は、レジ袋を有料化することではなく、有料化をきっかけに(レジ袋以外も含めて)使い捨てプラスチックに頼った国民のライフスタイル変革を促していくことである。不必要な使い捨てプラスチックの削減の御協力をお願いしたい」
(総務省)としています。果たして本来の目的である〝使い捨てプラスチックの削減〟に実効性があったかというと、印刷紙器各社さんに伺っても「ユーザーが包材のコストアップにつながるので紙化は進んでいない」というのが大方の意見です。筆者が見たデパ地下食品売り場での店員と客のやりとり、「丈夫で安いからプラのほうが紙よりいいですよね」、確かにそうですが…=写真、食品売り場のプラ、紙袋価格表=。逆にレジ袋有料化で紙袋よりコスパが良いことをアピールしたカタチに。
環境先進国はどうか、イタリア人の同僚を通じて母国の家族に尋ねてもらうと、「商品を選ぶ際には、包装も重要な判断基準になる」、「プラスチック素材を紙などの環境に配慮した素材に切り替えているブランドは、高い評価を得ている」、「紙製の手提げ袋はとても便利で、使い終わった後も紙ごみを捨てる際などに再利用、リサイクルにつながるから良い」と日本と異なった答えが。この考え方の背景は、イタリアでは小学校から始まるごみの分別や処理、再利用の大切さを学ぶ環境教育から。筆者が思う日本においての即効性プログラムは、「環境」を受験科目に入れること。そうすれば親子、塾、受験校で熱心になるのでは!