第105回 『韓国 似てる、似てない?』 (板紙段ボール新聞R5年4月7日付)  掲載より

比較的近い文化圏の隣国、韓国と日本。段ボール業界の似ているところ、異なるところを対比してみるのも面白いと思い、先ごろ来日したソウルの同業者の社長と歓談しました。

韓国は人口5174万、経済成長率4.1%(2021年)、段ボール工場数は約350、コルゲーターは110台というのが概要です。
さて似ている、似ていない…を織り交ぜて比べてみます。日本は、加工食品向けが段ボール投入分野では一番に対し、韓国は農産向けがトップ。
そのわけは自販機が日本にように多くないから、飲料ケースの量は顕著ではない。これに対して農産物が内需だけでなく、
FTAを活かして積極輸出できているとのこと。

伸びている分野は、日本同様eコマース。今や白菜もりんごもスマホで注文、リアル店舗の存在が危ぶまれる勢いだそうです。ちなみに、新型コロナ感染症による宅配需要の急増で、段ボール不足現象が深刻化し段ボール原紙生産を増やした一方、輸出を自制するなどで急場を凌いだほど。

現場に目を転じると、やや違いも。ケースは昨今白ライナの多色印刷だそうで、日本から輸入されるフレキソフォルダグルアも5色機が主流、これは輸出相手国の市場ニーズに合わせているのでしょう。シフトは大半が二直、24時間操業も大手、中小ともに日本より多そう。

その理由は、仕事は各社とも恵まれ投資意欲も盛ん、さらにコロナ収束から成長へドライブがかかっているそうです。オペレータは60%が外国人、いったい韓国の若者はどこへ?何でも自由な働き方が実現できるウーバーイーツのほうが、管理される製造現場より好まれるとか…。
少子化のスピードが日本より速い韓国。今、現場に若者に呼び寄せるには「3D(きつい、汚い、危険の韓国語版3K)を火急的に払しょくすることだ」と断言していました。

 

=写真はお土産に頂いた美粧段ボールに入ったインスタントコーヒースティック100本セット=