第87回「三つ子の環境教育、百まで」(板紙段ボール新聞R3年10月7日付)掲載より

これまでヨーロッパの板紙、段メーカーがウィスキーの瓶、ドラム缶の紙化などイノベーションに加速がついていることをお伝えしましたが、なぜこのスピード感があるのか、少し考えたいと思います。

  

国内では2020年、レジ袋の有料化が諸外国よりかなり遅れてスタートしました。お隣中国と比べても10年以上の遅れです。

とは言ってもわずか5円の消費者負担額。例えば環境EUでは、2年前に行った際に25セント前後(約30円)だったと思います。何しろ、25年までに年間のビニール袋使用を「一人40枚を上限にする」という法律もできたほどです。

袋より先に、今年から使い捨てプラスチックのストロー、食器が禁止になりました。消費者が不自由さを強いられることに合意できており、容器ユーザーがコストアップに対して難色を示さないのは、プラスチックごみがもたらす海洋汚染など地球環境破壊を元に戻すコストが莫大であることの意識が、人々にしっかり根付いていることだと彼の地の人々と触れてきて確認できました。

これが可能なのは長い年月をかけての環境教育の賜物でしょう。事実、今から30年前ドイツ駐在をしていた筆者は、娘の公立幼稚園探していた当時すでに、ゴミの分別指導を教室の中でやっていて非常に驚きました。

そして、その子供たちが社会に出て生産者、消費者として活動する中で、環境最優先でモノづくりを、購買や消費を行っているのだなと思いました。

この写真は我が子のために、段ボールブロックの会社を作ったというものです。やはり、環境世代の若い経営者です。さあ、これから孫に環境教育しよう!息子夫婦に嫌われるのを覚悟の上で…