第73回「青果物向け、大きな期待」(板紙段ボール新聞R2年8月7日付)掲載より

コロナ禍は、個人消費と設備投資に急ブレーキをかけ、GDP産業の我々段ボール・紙器分野にも大きな影響を与え、結果的に当社もその打撃に苦しんでいます。でも、そんな時こそ少し先の事を考えたいと思います。

  

世界の大変の国では、段ボール用途のトップは成果物の箱です。中でもフルーツは、農業国では輸出商品であるため鮮度保持をしながら輸入効率を高めるオープントレイがA式ケースに替わってきています。

海外からのオレンジ、キーウィ、ぶどう、チェリー、アボカドなども10段、20段と2メートルの高さまで積み重ねられ卸市場に入ってきます。

これらのトレイは全抜きで加工されたもの。これを大ロットで生産できるのはロータリーダイカッター。C段やEB段を毎時1万枚の高速生産、不良ゼロを達成するには機械性能もありますが、抜型の品質が大きく影響します。

世界の多国籍大手段ボール会社は抜型ゴムのブランドを標準化に入り、世界のどの工場でも同じ高レベルの品質でダイカットをしています。たとえばスマーフィット・カパ社では、世界中の段ボール工場でポリーMX社の高機能ポリウレタン『ポリトップEX』を指定品としてロータリーダイに採用しました。有功社シトー貿易では、さっそく同社の商品を取り揃えることになりました。

世界の農産物輸出ランキングでは日本はトップ50にも入りません。しかし、美味しい、安全という点では将来性のある輸出商品ですので、農業振興、段ボール需要拡大の点で是非推進したいもの。その時のために、今からロータリーダイカッティングを支援する準備を静かに始めました。
※写真は、存在感ある輸入青果物の段ボールトレイ(東京都大田区)。