第72回「新型コロナと段ボール②」(板紙段ボール新聞R2年7月7日付)掲載より

このコラムで新型コロナをネタに3本目を書くことになるとは…想像していませんでした。コロナシリーズ最終回であることを期待し、自社の取り組みを紹介します。

  

有功社シトー貿易は紙器・段ボールの生産現場向けに副資材から各種技術製品を供給する事業者ですが、非常事態宣言・行動自粛が響き、箱の需要が急降下してしまいました。

当社が行った緊急アンケートでは70%のお客様で「生産量が落ちた」とのことで、「この先も不透明」という回答でした。このため、当社ではビジネスの逆モードを試み、お客様の商品を上市するお手伝いをさせていただくことにしました。

その事例は組み立て式の段ボール製〝診察室〟で、試作のお手伝いから完成品の試験運用、改良、商品化を発明者、ボックスメーカー、医師、臨床検査技師を加えたチームによりわずか3週間で仕上げ『どこでも発熱外来』と名付けました。

海外の研究論文等によると、段ボールはプラスチック、ステンレス、布と比べてウイルスの残存時間が短いことが証明されており、素材として優れていること、軽量扱い易く、組み立ては1人で約15分解体は約3分で完了(カットして医療用廃棄物として産廃処分)と段ボールの特長を最大限に活かしただけでなく、ブース方式にしたことで医療従事者と受診者を完全分離できるため、接触感染および飛沫感染を予防します。受診者のプライバシー保護と効率的な動線の確保により、スムーズな診療が可能と評価をいただきました。

これからも紙器・段ボールの用途拡大に積極的に取り組んでいきたいと思います。