第39回「抜型製作にもゆとりを」(板紙段ボール新聞H29年10月7日付)掲載より

印刷紙器、段ボール業界でも“働き方改革”の動きが広まり、今まで以上に打抜機の生産性向上への取り組みが進んでいます。これを縁の下で支えるのが抜型メーカーの緩まぬ努力です。しかし、その陰には「長時間労働」の悩みがありました。

印刷紙器の打抜機も性能向上が図れ、毎時8千枚の高速運転が行われるようになりました。それに適合した抜型が作られていますが近年、抜型に貼る「撥ねだしゴム」としてプレス後、瞬間に元の形状に戻る高反性材質、高耐摩耗性、シートを切刃方向へ寄せながらツナギを保護し、チョコ停を無くす特殊形状の『ファストラバー』が普及。高品質を求める医薬品、化粧品、食品パッケージを製造する現場で急速に採用され、シートの切断面と形成された罫線の良い仕上げり、紙粉発生防止等で評価されています。しかしながら、抜型の制作現場では一つ一つ接着剤でベニヤにゴム貼りをする作業は相応の労力と時間を要します。そこで、健康や環境配慮の溶剤不使用接着剤をあらかじめ塗布したシリーズ『シトーイージーフィックス』が登場。任意の長さにカットして保護を剥がしニベヤ表面に貼るだけ、従来作業に比べ70%も時間短縮が図れます。採用された抜型メーカーに伺うと「製造時間の短縮、不快な臭いからの解放はもちろん、高い接着力で40~50万の打抜き機も位置がズレしていない。ゴム交換時も抜型傷まない」と好評で、「これからも抜型の高付加価値化に採用を拡げたい」とのことでした。