第23回 もはや箱は販促ルール(板紙段ボール新聞H28年6月7日付)掲載より

スーパーマーケットの話題が続きましたが、このところの著者といえば買い物よりも段ボールウォッチングが忙しくなってきました…。今一度、店内ぶらりにお付き合い下さい。

  

本紙5月7日号で「清涼飲料の生産は昨年過去最高を更新、依然拡大」と報じられま したが、同じ缶飲料のアルコールメーカーも消費者二ーズを掴み新商品投入、購買意欲を 刺激する動きが大手スーパーマーケットの店内でも発見できます。

人気のチューハイはこの系列店限定で350ミリ㍊の12缶セットボックス=写真=がデザ インされ、女性でも片手で持てる寸法および重量。これまで単品以外は6缶のマルチパックか24缶のラップアラウンドが相場でしたが自転車の買物かごにも収まり、販売単価も千円弱は手頃でしょう。

そして何よりも酎ハイ缶のイメージがそのまま大きく6面に施された美粧段ボールのブランド訴求力は絶大で、店頭における視認性は抜群です。

昨今ヨーロッパではシュリンクフィルム&トレイや、シュリンクフィルムだけで缶を包装する動きもありますが、段ボールケースならではの安定性、適当なサイズのメッセージスペース、買い物客の持ち易さなど総合判断すると段ボールに軍配があがるのでは。

こうしてみると、飲料、加工食品分野における外装段ボールにおいてはもはや輸送目的 だけでなく、販促ツールという極めて重要な機能が加わり始めたわけです。

フレキソ印刷機の高性能化やデジタルインクジェット機の登場でダイレクト印刷の品質が格段に上がりました。今までの不可能が可能に、段ボールにイノベーションが。
「やっちゃえ段ボール!」、そんな熱い思いで腕組みをして売り場を眺めていました。