第24回 付加価値化で新規参入(板紙段ボール新聞H28年7月7日付)掲載より

包装資材として段ボールが登場したのは1871年ニューヨークで、ボトル等を包んだことが最初ですが、すでに英国ではシルクハットの内側の汗を吸い取るため1856年に特許化されました。段ボールの故郷、英国は北イングランドを訪ねました。

  

2001年創業、先進国では成熟産業にも関わらず急成長をしている段ボール会社。その成功の秘密を探りました。

「先輩先業と異なることを」と、手がけた製品は、白ライナを貼合したE段枚葉シートにスクリーン印刷機で赤や緑など単色をベタ印刷した箱で=写真=、これを販売します。

茶色ではないことで差別化に成功。「段ボール印刷業」という分野を確立し、枚葉オフセット機も投入、プレプリントへと範囲を拡げることで印刷紙器並みの美しい段ボールケースを提供。ユーザーの商品価値を高める「販促お手伝い産業」へと発展します。

「ユーザーの商品が売れることが何より嬉しい」という経営者の思いは売場全体へ、ディスプレイにまで事業を拡げたそうです。生産機としてのデジタルインクジェットも3年前に導入。様々な付加価値化によって営業スタッフをゼロに、その分人材はクリーエーターを揃え、創業15年にして年商170万ポンド(約26億円)社員100人の企業となりました。「今まで出来なかったことが出来る時代」と新たなチャレンジに積極的です。次回も同社についてレポートします。