第54回「今こそ、脱プラ社会へ」(板紙段ボール新聞H31年1月7日付)掲載より

海洋汚染の問題から、使い捨てレジ袋やストローなどのプラスチック製品の使用を中止する動きが、世界中で急速に進んでいます。一方で、プラは消費エネルギーを抑え、地球温暖化の抑制効果があるとも言われて議論が盛んです。このような時期こそ我々は印刷紙器、段ボールのビジネスチャンスとして様々な新しい価値を提案すべきでしょう。

昨秋、東京パックの中央ヨーロッパ版ともいえる「ファハパック」を訪れました。パッケージの総合見本市ですが、従来の印刷技術にさらにデジタル印刷、加飾等も加わり“見せる”というより“魅せる”紙器・段ボールが並び、地味な素材ともいえる紙が、加工次第で美しいモノに化けることを実感しました。それは金属から貴金属へと磨き上げられるように見事です。出展各企業がコモディティ併せてスペシャリティ製品の充実化を進める背景からか、FEFCO(欧州段ボール工業連盟)でも段ボール製インテリアやピクニックバスケット、グリルなどデザイン性にも優れたアイテムを機関紙等で紹介しており、『クリエイティビティ』、『商品保護』、『持続可能性』、『費用対効果』、『品質』で段ボールに勝るものはないと結論付けていました。生産数量で一喜一憂するか、それともイノベーションで利益を追うのか。今年もエキサイティングな年にして行きたいですね。