抜型とは
抜型はトムソン型やビク型などとも呼ばれ、食品・電化製品・玩具・医療品の箱など、毎日の生活の中に見えるパッケージを作るために使われています。具体的には、厚いベニヤ板にレーザー加工機等で箱の展開図通りに溝を付け、刃物をはめ込んだものです。これを打抜き機と呼ばれる機械にセットし板紙や段ボールをプレスすることで様々な形状の箱が出来上がります。また、このような加工方法を「抜き加工」や「トムソン加工」と言います。
抜型の製造方法
- ベニヤをレーザー加工機でカットします。
- カットした溝の形状に合うように刃曲げを行います。
- 作成した刃をベニヤの溝にはめ込みます。
- 刃に沿って抜型ゴム(跳ね出しゴム)を貼ります。
抜型ゴムの機能
抜型ゴムは主に次のような目的で使用されています。
- 切断後にシートを切刃から跳ね出す。
- シートの浮きを静め、面盤の上にしっかり乗った状態にする。
- シートにかかるテンションを抑え、切れ不良を防止する。
- つなぎの部分を保護する。
抜型ゴムの使い方
切刃の両側に1mm程度の隙間を開けて貼ります。
ゴムの厚みは抜型の厚みによって決められます。
- ゴムの先端は切刃の先端(高さ:23.6mm)より1.2mm高くするのが一般的です。
- 計算式:C(ゴムの厚み)=B(切れ刃の高さ)+1.2mm -A(ベニヤの厚み)
- ベニヤの厚みが18mmの場合:23.6mm+1.2mm-18mm≒7.0mm(±0.3mm)
抜型ゴムの硬度について
一般的に硬度が高いほど跳ね出しの効果も強くなります。機械の運転速度が速い場合には跳ね出し効果の高い硬質タイプの抜型ゴムが使用されます。またコルクはさらに硬度が高く、シートをしっかり押さえることで切れ不良やバリを防止する効果があります。
抜型ゴムの使用時の注意点
可能な限りゴムの高さや幅を揃える
ゴムの高さや幅にバラツキがあると抜き圧が均一にかからず、ムラトリの作業が増えてしまいます。また高すぎる/幅が広すぎるゴムを使用すると、より強く圧縮するために抜き圧を上げなければならず切刃を傷める原因となります。
古くなったゴムを使用しない
ゴム素材は経年劣化するため、古くなったゴムでは十分な効果を得ることができません。長年使用しなかった抜型を再度セットする場合は必ずゴムを貼り替えましょう。また圧縮・反発を繰り返すことでゴムの跳ね出し効果が失われていきます。適切な時期に交換を行って下さい。
日光等の光を避けて保管する
光によってゴム素材の変質が進んでしまうため、できるだけ暗い場所に保管して下さい。
抜型ゴム用の接着剤を使用する
接着剤との化学反応によりゴムの変質が発生する場合があります。必ず抜型ゴム用の接着剤をご使用下さい。
高品質な抜型ゴムを選ぶ
打抜の品質や機械の運転速度は抜型ゴムの性能に大きく左右されます。生産効率の向上には高品質な抜型ゴムを選ぶことが重要です。
抜型ゴムの種類
スポンジ
ワンタッチスポンジ
抜型へのゴム貼り作業を省力化!
抜型へ貼りやすいサイズにカットしたのり付きのスポンジです。抜型用スポンジとして広く普及しています。硬度別に標準・硬質・軟質タイプをご用意しております。形状は直カットまたは波カットからお選び頂けます。
大判スポンジ
大判タイプの各種抜型スポンジをご用意
硬度や材質の異なる各種スポンジを大判サイズで販売しております。帯電防止効果のある製品もございます。ウォータージェットなどの加工機でお使いの寸法にカットしてご使用下さい。弊社にて各種加工も承ります。
高性能ゴム
シトーポリトップ
打抜機の性能を最大限に引き出す最高品質抜型ゴム
長年の開発期間を経て遂に完成させた最高品質の抜型ゴムです。極めて安定した寸法精度と高い反発性能で最新型打抜機での高速運転に対応、非常に優れた耐久性も大きな特長です。
ソリッドラバーD/5
段ボールの切り口を美しく仕上げる抜型ゴム
特殊形状の抜型ゴムで切れ刃の接触前に段ボールを抑え、中芯を平らな状態にします。平らな中芯に刃が入ることで切り口がきれいに仕上がり、打抜きの精度を高めます。段ボールのライナー割れを防ぐ効果もあります。
NRBマスターラバー
つなぎの保護に絶大な効果
平台での機械の稼動中に起こる製品と外周カスがバラけることで機械が止まってしまい困っていませんか?そんな問題解消にはコルク等の替わりに『NRBラバー』を使ってみてください。
シトーバランスプロファイル
バランス刃専用の抜型ゴム
バランス刃に取り付けることで、打ち抜き時に抜型の水平性を保つことができます。これにより、切れムラの防止やムラトリ時間削減等の効果が見込めます。バランス刃の機能を十分に発揮させるため、適切な抜型用ゴムを取り付けることが推奨されています。