タイトルに新年早々驚いた方も多いのではないでしょうか。この数字、FEFCO(欧州段ボール連盟)によるヨーロッパの2024年~32年までの年平均成長率予測。24年の約8523万㌦から32年には約1億2876万㌦へ拡大すると発表しています。
近年、日本の段ボール生産量が長期的にみて縮小傾向の一方で、ヨーロッパ市場は堅調に拡大しています。当然、人口や産業構造の違いから国、地域によって違いはありますが、総じてプラス基調と聞きます。日欧で明暗を分けているのは経済の力強さが根底にあるものの、筆者の持論にはなりますが、日本は「段ボール=A式ケース」に凝り固まっていることも要因として挙がると思います。
A式は、FEFCOの形式番号では0201。汎用性が高く、段ボール工場では設備も使い慣れており、現場にとっては最も安定した選択肢と言えます。しかしヨーロッパでは、0201のシェアが年々低下し、代わって0427のメールボックス型、0300番台のトレイ、0409のワンタッチ底など、用途に応じた多様な形状が増えています。青果物向けの通気性重視トレイや、EC向けの開封しやすいボックス、食品の自動包装ラインに適した特殊形状など「使う理由のある形」が選ばれています。
この多様化こそが、段ボール需要の底堅さを支えていると彼の地の業界関係者は言います。物流にあたって全てA式ケースで解決するのではなく、用途に合わせて形状の価値を高めることで、段ボールの〝役割〟そのものを広げているのがヨーロッパの実態と言えるのではないでしょうか。FEFCOコードが国際規格として浸透していることも追い風で、エンジニアやデザイナーが共通言語で形状を議論できる環境が整っています。
さて、日本の足元でも同じ変化が起きていました。筆者が訪れた香川県の琴平神社の参道にあるうどん屋さんにインタビューすると、「昔はA式にうどんを詰め込んで日本中のお店に送っていたけど、今は大半が家庭向け。ポストに入るF段のメールボックスタイプばかりだよ」と話してくれました。
段ボールの成長、未来は、単なるA式の箱作りからの脱却にあるのではと思います。2026年は、その転換点がより鮮明に見える1年になるかもしれません。本年もよろしくお願いいたします。