私たち紙器段ボール産業に特化した専門商社はお客様からいろいろご相談を頂くのは嬉しいものです。ところが、その先のユーザーさんからのご相談は大変珍しい。
有功社シトー貿易は、その社名が示すとおり『シトーテープ』を専門に販売するため、1986年に印刷紙器会社から分離・独立した専門商社です。 現在では多様なビジネスを展開していますが、原点は罫線管理にあります。
先日、世界的に有名なブランドの日本工場から箱の品質について相談を受け、カートニング現場を訪問しました。内容は「24時間操業の中で夜間シフトに機械停止が頻発し、ラインを徹底調査したが問題が見つからない」というなんとも夏の夜らしい怪奇現象ものでした。 我々が長年にわたり段ボールユーザーさんの代表格である缶飲料工場におけるカートナー停止の原因は、段ボール罫線の折り曲げ強度が主因であることが多いため、ひょっとして、マシンより板紙に形成された折れ筋に関係するのではないかと思い聞き取りを行いました。時間帯によって充填される箱の出所が異なるのではないかと調べたところ、同一寸法のキャラメル箱型でも、充填製品の違いにより印刷が異なり、紙器自体も同一ではないことが確認できました。
そこで、箱の起き上がる力(起函力)や季節による水分量の変化などのパラメーターを、専用機器で計測することを提案しました。
有功社シトー貿易は、50年以上前から精度の高い印刷紙器の折れ筋(深さと幅)の数値化を啓蒙してきましたが、現在では出来上がった筋の評価自体の数値化を進めることで、問題解決のお手伝いをしています。