第113回 『人口減社会の中での箱作り2』(板紙段ボール新聞R5年12月7日付)  掲載より

2023年も残すところあと3週間となった今、強く印象に残っており、なおかつ来年以降の課題にしたいことを筆者のメモ書きから披露したいと思います。

今年6月に有功社シトー貿易では「平盤打抜機の効率を劇的に改善する」をテーマに東京、大阪でセミナーを開催。参加者の皆様とドイツ・シトー社の生産技術マネージャーとの間で沢山の対話を持ちました。

その中で「ストリッピングダイ」がマストアイテムのヨーロッパ、その一方で〝本はロットが小さいから〟、あるいは〝保管スペースに制約があるから〟を理由に普及しにくい、という反応でした。

打抜機の中に装備された上ピン、下ピンをセット替えの時に機械内部に潜って次の仕事のために位置合わせという作業風景が今も見られます。この作業こそムラトリと同様に経験と勘、努力が求められ非常に重要な仕事ですが、しかし、この作業は利益を生む仕事ではなく…なんとしても消滅させたい工程です。

 小さなカスまで完璧に落とすことが可能なストリッピングダイさえあれば、打抜機に差し込むだけで即生産、確実なカス落としができます。その効用をまとめると、チョコ停の排除による運転速度の向上、セットアップ時間が画期的に短縮され、作業負荷の軽減、効率の向上、操作の安全性と良いこと尽くめ。まさしく最近のITの世界でよく言うところの「スループット」を向上させるカギとなる技術です。

年明けの早い時期には実証試験を国内で行い、業界の皆様との対話を重ねながら2024年は働き方改革、業界の収益性向上と成長に微力ながら貢献したいと思います。

※写真は2024年に日本でも稼働開始するBOXPLANシステム