第89回「”いちご一会”の最強のコンビ」(板紙段ボール新聞R3年12月7日付)掲載より

今年の流行語の一つ「SDGs」。海外から次々に飛び込んでくる対プラスチックへの紙器・段ボールの善戦模様、そして日本でも急速に高まるSDGs意識。来年こそビジネスチャンスが多数転がり込むかとワクワクしています。

  

今年最後の〝紙転換成功事例〟はベルギーからイチゴパッケージ。世界どこでもおなじみの透明容器、ちなみに日本ではペットボトル再生品のA-PETなども存在しますが、現状では家庭からはプラごみとして処分されています。

多国籍段ボール企業のスマーフィットカパ社のベルギー事業所が欧州有数のイチゴの生産地アントワープ州ホーフストラテンの生産組合から委託されたのは、「プラスチック使用を減らすこと」と、そして「サプライチェーンに求められる条件も厳しい中で、より効率的な方法で苺を詰めること」でした。

代替容器の開発と充填の自動化にトータルで取り組み、一次容器は紙器へ、それを詰め合わせるオープントレイを段ボールに変え、容器とトレイに合わせた組立ラインを導入しました。

紙器は両面印刷され見栄えが良くブランド力の強化に。食品の安全性は適法証明書で保証され、紙器には特に湿度に耐性のある板紙が採用されました。

新しいパッケージにより物流コストと人件費の削減も達成。オール紙製品による完全リサイクル、また年間で70トンのプラスチック使用を減らすことができたそうで、さらにこれらのサステナブルな対策はカーボンフットプリントの抑制にもつながったということです。

日頃、紙器と段ボールは別世界と扱われますがワンチームにすることで、よりパワーアップしますね。