第82回「世界が驚いた職人技」(板紙段ボール新聞R3年5月7日付)掲載より

ウイスキーが紙パック、ドラム缶が段ボールと板紙、段ボールの勢いが止まらないヨーロッパの最新イノベーションをレポートしましたが、日本の段ボールで世界があっと驚くニュースが飛び込んできました。

  

九州ダンボールさんの本社工場で製造された国鉄C62型蒸気機関車が今年3月に「ギネス世界記録」に認定登録されました。

あれ、どういうこと? 一体何がすごいの?…この実に22m長の機関車が、「世界で一番大きな段ボールでできた乗り物」ということが認められたのです。

これは一級建築士であり段ボール工芸家の島英雄さんが、実物のSLの採寸から実測図面や工作図面を起こした原寸大モデルで動輪から従台車、細かい鉄パイプ、ボルトに至るまで完璧に再現したものです。

この大迫力!世界一であることは誰が見ても間違いありませんが、我々業界人にとっては一般人以上に目から鱗、目頭が熱くなるのではないでしょうか。普段の業務上、段ボールシートといえば…切って、折って、糊付けして6面体にするものとして認識、作業する場面が一般的には多いと思います。

しかし、英国に段ボールが誕生して150余年の長い時代を経て、初めてSLの全パーツを段ボールだけで作成できたという紛れもない事実でしょう。大きい小さいだけでなく、曲線のパネル、さらに半球に形を変えた段ボールをこれまで私は目にしたことがありません。この“段ボールの新たな可能性”は、我々の日常生活を大きく変える力を秘めており、さらに用途拡大からプラスチックごみなどの問題解決をも加速化させるかも知れません。