第80回「ドラム缶も置き換わる」(板紙段ボール新聞R3年3月7日付)掲載より

いま世界的に紙器段ボール化の大きなうねりが起きている事実確認シリーズ第3弾(ラスト)。発泡スチロール、瓶に続きあの大きなドラム缶も段ボールに置き換わるお話しです。

  

ドラム缶といえば筆者にとっては港は廃工場、倉庫街と刑事ドラマの印象。そして焼鳥屋のテーブルと男社会のなくはならないアイテムで、大好きな情景でありますがこれが消えてしまうかもしれません。なぜなら、段ボールがドラム缶の諸問題を解決してしまうからです。

これほど”大容量の液体輸送をサステナブルに”のキャッチフレーズで登場したDSスミス社の『ハイブリット・キューブ』(Hybrid?)は外装が段ボール、内装は樹脂製バッグの組み合わせのワンウェイ容器。特に優れている点は、国際安全輸送協会ISTA認証を取得し国際物流対応、また食品用途の場合は米国・FDA規則及びEU規則に準拠させた無菌または非無菌環境での充填・排出に適合できるように設計・デザインされた仕様も。サイズは500Lから1000Lまでのバリエーション豊富。とりわけユーザーの心を捉えているのは抜群の経済性とのことです。

具体的には、折りたためる保管スペースの節約、立方体だから輸送コンテナ内のスペースの活用率を20%増加で積載効率アップ、一人でわずか3分で組み立てられ軽い。ドラム缶と比較して輸送手数料が安い。

運賃もより安く、容器内の中身がのこらず100%排出可能。機能的な排出バルブの取付から効率よく排出、作業時間削減など数々挙げられます。なんといっても完全回収と完全リサイクルが現代社会に支持されるところです。

空き地にドラム缶、昭和の少年にとっての心象風景ももはや再現できなくなります。