第8回 ノルウェーの製函現場から (板紙段ボール新聞H27年3月7日付)掲載より

北欧の国々は世界でトップクラスの給与レベルで且つ一人当たりのGDPも高い、いっぽう労働時間は短いことで知られています。歴史と文化が異なる国と一概に日本と単純に比較は出来ませんが、とりあえずノルウェーの中堅段ボール工場の製函ラインに突撃取材を敢行しました。読者の皆さまに何か参考になるものは無いかと。


この訪問をきっかけに私たちは、実際にこの現場の床に敷き詰められていた「疲労軽減マット」を輸入販売することにしたのでした。日本の現場の皆さんに“快適をお土産にしたくて”。
訪れた工場は首都オスロから車で約1時間半の小さな町、もともと首都でさえ人口60万と小さいだけに、工場周辺は民家も少なく森が拡がっていました。一つ目のびっくりは段ボール原紙がバージンパルプ、なんでも豊かな森林資源から再生紙より老木を計画的に伐採しパルプへ。新たに植林することで森の循環、CO2排出抑制をという意識が浸透していました。興味はやっぱりフレキソダイカッターライン、目についたところを挙げましょう。前号のこのコラムで機械の騒音を取り上げましたが、やはり80デシベル以下にすることを目指し音源となる部分は遮蔽、また現場の空気もなるべく汚さないようダイカット周辺に発生する紙粉、細かいカスはダクトで吸い上げます。また、給紙部分にもロボットを配置し省力省人化を図っています。オペレーターさんも当たり前のように女性が活躍。でもヘルメットを被っていないので大丈夫かなぁ。人が頭をぶつけそうなところはクッション材を巻き、落下することの無いように高所にモノを置かないことを徹底することで無帽だそうです。10月の北欧は日本の初冬の体感温度でしたが工場内は適度な温もりを感じる暖房でした。工場長に謝意を告げて「世界一快適な工場ですね、ずいぶん設備におカネをかけていますね」と伝えると、「機械設備は高くなるね。でも、我々は世界で最も人件費が高い、だから動きやすい、ストレスフリーの環境にしないと生産性は高められない」との弁でした。この訪問をきっかけに私たちは、実際にこの現場の床に敷き詰められていた「疲労軽減マット」を輸入販売することにしたのでした。日本の現場の皆さんに“快適をお土産にしたくて”。