第28回 空飛ぶ紙器 段ボール(板紙段ボール新聞H28年11月7日付)掲載より

世界の紙器・段ボール業界の著名人に「レベルの高い国は?」と聞くと”オランダ”の名前が上がります。印刷技術が優れ、設備が近代的、アイデア豊富などと高評価です。

  

まだオランダの工場を訪ねたことがありませんので、今回は代わりにオランダ国籍の飛行機の中からレポートします。

成田発アムステルダム行きノンストップ便は11時間のフライト。離陸して新潟から日本海に出たあたりでしょうか、”オランダより愛を込めて”と印刷された紙器からキャビンアテンダントさんによる温めたおしぼりのサービスが始まります。

続く機内食は和食、洋食と選べますが、メインディッシュには英語でテイスティ・ジャパンと書かれた抽象模様のコートボールのスリーブが容器に巻かれています。

食後の飲み物は風車の描かれた紙コップ。ギャレーに置かれたセルフサービスのお菓子やデザートのトレイはE段フレキソダイレクト印刷、そして長時間飛行ののち提供される軽食はサンドウィッチとミネラルウォーターをセットにした両面印刷紙器で、表にはアムステルダムの街並みのスケッチ画が。お土産になる逸品=写真=。

これらの印刷は定期的に変わるようで、先日はいずれも白地に紺色で名産の陶器デルフト焼風の紋様、オランダを象徴した素敵な印刷でした。表面加工の仕方で陶器のような素焼きと光沢を作り分けています。

現場インタビューを敢行するとCAさんは「軽いから楽」「回収しながら畳めるので優れた作業効率」「とてもクール」と笑顔で答えてくれました。業界を代表して(?)このエアラインを勝手に表彰させていただきます。