第22回 赤いライバル現る!(板紙段ボール新聞H28年5月7日付)掲載より

前回はインパクト大で良くできた大手菓子メーカーの有名キャラクター什器でしたが、同じ都内スーパーマーケットにもう一つの大手ライバルメーカーの段ボールディスプレイが置かれました。

  

この段ボールディスプレイは実にシンプルですが、赤のベタ印刷上に金で会社ロゴを入れているだけでメーカーのブランドが一目瞭然。トレイ部分に三種類の板チョコが並べられています。一般の陳列棚に並べられているのではなく、赤く目立った”特設ステージ”に並んだチョコレートは新製品ではなくても思わず手が出るものです。この衝動買いは何なのでしょうか?

実はある流通専門調査機関の調査によれば、買い物客の85%が店舗外で行われる広告宣伝よりも、店舗内でのそれの方が影響力が大きいと見られており、さらにブランド選択の59%は店内でなされているということです。

つまり商品溢れる今日では買い物に行く際には”どこのメーカーの何となに”ときっちり決めてスーパーに入るのではなく、案外曖昧に”お店に行ってみてから決めよう”という消費行動がされているようです。

ところで、この赤いディスプレイについてお店に伺うと、5月の母の日まで1カ月以上使われているようで、その日が近くなると空きスペースに飾り付けを追加するそうです。

スーパーの仕入担当である副社長さんに段ボールディスプレイについてお話しを聞くと「スーパーはいつもお客さんに立ち寄ってほしい、そして1品でも多く買い物かごに入れていただきたい。
ですから、お店が楽しくなるそして思わず買いたくなる仕掛けは大歓迎です。」

どうやら日本でも段ボール什器の潜在需要はありそうですね。