第11回 納品か、引取りか (板紙段ボール新聞H27年6月7日付)掲載より

急速な経済発展に追いつかないインド ネシアの首都ジャカルタの交通インフラ整備。 酷くなる道路渋滞、全産業で納品にもずい ぶん困っているようです。今回は現地の抜型 メーカーを訪ねました。

  

人口2億5千万、世界4位を誇る大国インドネシア、高い経済成長率に生活 水準が上がるにつれ段ボールの生産量も伸びています。ジャカルタのこの型屋さんも 平型に続き、ロータリー型用でも糸鋸に代わりレーザー加工機を導入し、増える受注に 対応しています。

突然のオーダーも少なくないため、そのような時は手書きの図面に大雑把な寸法 記入、中には箱のイメージ画をファックスし、これで注文してくるお客さんもいるとか。 このため、正式図面起こしから始めなければならず大忙し。

短納期に輪をかけて問題なのが納品方法。市内の道路は終日激しい渋滞で、 3キロ走るのに1時間なんて事態も珍しくありません。

東京の地下鉄千代田線の中古 車で通勤するジャカルタの人々そこで 取り入れた解決策は、納品するか引取りかを お客さんと相談。納品ならば配送料をお客さんに請求、 引取りに来てもらえるならばその分値引き。交通事情が もたらすユニークな取引条件です。

その一方、日本ODA(政府開発援助)で鉄道整備も 進められ、小さい木型ならば電車で運ぼうかと考えている そうです。右の写真は、東京の地下鉄千代田線の中古 車で通勤するジャカルタの人々です。